歯科で保険適応となったチタンクラウンってどうなの?不安を解消して1症例目を始めるには

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2020年6月に保険収載されたチタンクラウンについて不安はないでしょうか?これからチタンクラウンを保険で活用していくにあたって必要な情報をまとめました。こちらを読んで頂ければ第1症例目を問題なく始められると思います。

この記事を書いている人
総合歯科商社14年目の営業所所長です。毎日歯科医院約30軒に訪問しています。今までで述べ1000軒以上の歯科医院の先生とお仕事をさせて頂きました。取引先の先生方からチタンクラウンってどう?と聞かれるのでこの記事を書いてみました。

前回のCAD/CAM冠についての記事はこちら

保険適応のチタンとは?

保険で使われるチタンとはどんなものかご存じでしょうか?まだ試されたことのない先生に向けて保険適応のチタンとはどういったものかを書かせて頂きました。

純チタン 2種

保険で使われるチタンは純チタンの2種です。純チタンというのは「純度の高いチタン」という意味で純チタン1種から4種まであります。そのなかでも強度と加工性のバランスが取れているのが2種となります。
さらに詳しくはこちらをどうぞ

保険適応の条件

  1. 薬事承認又は承認上、類別が「歯科材料(1)歯科用金属」であって、一般的名称が「歯科鋳造用チタン合金」であること。
  2. JIS H4650第2種に適合するものであること。
  3. 大臼歯の全部金属冠による歯冠修復に用いるものであること。

補綴名称: チタン全部鋳造冠(通称:チタンクラウン)

歯科診療報酬コード: MO15-2(準用)
保険適用日: 2020年6月1日
材料名称: 純チタン2種(JIS 4650 第2種に適合するもの)一般名称「歯科鋳造用チタン合金」
適用部位: 上下大臼歯
算定条件: 金属アレルギーの有無に関わらず算定可能

意外と高い点数

気になる保険点数ですが、かかってくる点数をまとめました。
このようにしてみると結構点数高めだと思います。もっと高くしてほしいですが。

チタンクラウン(生PZ)パラクラウン(生PZ)
歯冠形成306306
印象6464
咬合1818
歯冠修復12661393
接着料4545
接着材料1717
維持管理料100100
合計点数1816点1943点

大臼歯限定

 チタンクラウンは上下大臼歯限定となっています。また、可能なのは連結まででブリッジは不可となっています。たまに小臼歯もに対してチタンクラウンの指示がかかれていることがあるのでスタッフさん含めて全員で共有しておくと良いです。

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気になるセット時の対応は?

いざチタンクラウンにするとなった場合形成は何がよいのか、接着はどうするのか気になりますよね。また接着する場合、手元にある材料で可能なら新たに購入しなくて済めば楽だと思います。ここではチタンクラウンの形成や調整方法、接着をどのように行うのかまとめました。

調整方法

  • エンジンで削る場合・・・カーバイトバー(クロスタイプ)で低速で断続的に削ってください。
  • 艶出し研磨・・・ニッケル用シリコンポイントでキズを取りブラシ又はバフで仕上げます。
  • タービンで除去を行う場合・・・カーバイトバーで注水しながら断続的に削ってください。(発熱させると硬くなります)

接着は?

接着方法はパラクラウンと同様の方法で可能です。そのため追加で新たにセメントを購入する必要はありません。金属冠用のプライマーと接着性レジンセメントでの合着をおすすめします。パラクラウンとやり方を変える必要がないため、今までと流れを変えずに済むところは診療していくうえで先生にとってもスタッフさんにとっても楽だと思います。

形成は?

形成もパラのクラウン同様の形成で問題ありません。ただクリアランスは最低mmほど確保すると良いです。理由としてはだからです。先生によってはパラ代がかかってしまうため形成量を極めて少なくするようシビアに形成するケースを過去にありました。その点をかんがえるとチタンクラウンの場合はそれほどシビアにならずに済みますので、ストレスは軽減されると思います。



こういった症例から試すとよい

試そうとしても不安はあると思います。そこでこんな症例から試すのはいかがか提案をさせて頂きました。このようなケースから試すのであればきっと不安は少なく出来ると思います。

対合が義歯、対合がない、対合をやり替えるケース

チタンクラウンをセットする際にまず不安なのは咬合調整だと思います。そこで咬合調整の必要のないケースをまず試す事でその不安は解消されます。もちろん少しのコンタクト調整は入ることはあると思いますが、バイトが高かった場合の咬合調整に比べたら気持ち的にもとても楽だと思います。そのためよりストレスのかかりにくいケースを選択することがおすすめです。

バイトが安定するケース

バイトが安定するケースを選ぶと安心してセットできます。バイトが安定することで技工士が作りやすくなり、結果咬合調整が少なくなるからです。人によってはバイトが不安定の方がいらっしゃると思いますが、そういった方は初期段階では止めた方が良いです。たま、バイトが安定するケースでも全顎で印象を採ることでより調整量を少なく出来るのでなるべく全顎印象をすると良いです。

クリアランスが多いケース

現在のパラの料金は約3000円/gほどです。クリアランスが多いケースはいくら技工士が内面をくり抜いたり工夫してのある程度しか削減することが出来ません。そのためパラの量が多くなってしまいます。技工所によって料金は異なりますが、約2.5gほどパラを使用するとチタンを使った方が良いとされています。そのためクリアランスの多いケースがあった場合はチタンクラウンを選択すると良いです。

まとめ:

2020年6月から保険収載となったチタンクラウンについて書いてみました。私が携わっている先生の感想を聞いてみると「硬い」という意見と「意外といける」の両方があり、術者によって感想が異なりました。感覚は人それぞれですので、まずはやってみて確かめてみることが良いかと思います。実際にセットされた患者様は保険でチタンが入ることに喜んでいたという感想も頂いており、患者様側のメリットはしっかりとあるようですので是非試してみてください。



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