歯科経営 金属高騰に負けない

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金属が高騰している今、とても厳しい状況なのは理解できます。患者様の為を思って保険で治療しているのに、使用する金属が高くて利益が出ないんです。そういった背景を踏まえて、今どうしたらよいか考えながらお話ししようと思います。

このブログの目次

・パラジウムの理解・高騰している理由・打開策

パラジウムとは?

1800年頃に発見されたプラチナ系の金属の一種であり、金や銀と同じく、いわゆる「貴金属」と呼ばれる金属の仲間。 比較的加工しやすい金属であることから、生活のあらゆる局面で使われる便利な金属。

使用用途

 歯科保険の銀歯にはこのパラジウムが使われている。歯科の金属は、パラジウム20%、金12%を混ぜ合わせた合金で出来ている。
 自動車の部品の一部自動車の排気ガス中の有害物質を取り除くための触媒としての用途が大半を占めています。自動車から排出される有害物質には、窒素酸化物、炭化水素、一酸化炭素がありますが、パラジウムやプラチナを触媒に使うことで、炭化水素を水に、一酸化炭素を二酸化炭素に変換できます。
 アクセサリー金属にも強度を増すためにパラジウムを混ぜていたりする。プラチナや、金はそれ自体強度が低く、装飾品と使用する場合はパラジウムを混ぜて強度と色味を強化するのが一般的です。

生産地

ロシア。南アフリカ共和国。世界全体の約85%を占めているといわれている。約60%はロシア一国が占めているため流通が少々不安定であることから、高値で取引されることも。

なぜ高騰しているのか?

 希少性の高いレアメタルだから。パラジウムの供給ソースは、ロシアと南アフリカ共和国の2カ国。世界全体の約85%を占めているといわれており、偏っているのが特徴。つまりパラジウムの希少性とこの偏りが原因の一部といえ、急騰を手伝っていると考えられる。世界的に広がる自動車排ガス規制強化による需要増。それにより対応する自動車の生産が増えている。経済の先行き不安から安全資産として投機資金が集中し、購入価格の高騰に歯止めがかからなくなっている。

打開策

 しっかりと自費治療の案内を行う先生方が、患者様の為を思って安価で負担の少ない保険を進めているのはとてもよくわかります。先生も患者様から高い治療を勧められたと思われるのは凄く嫌ですし、だから自費はあまり進めない。そういった声もよく耳にします。でも、しっかりと案内していかなくてはならないといけない時代になってきたと思います。今はインターネットで自由に情報が取得出来ます。だからこそ、しっかりと情報を伝える事はとても重要です。なぜ治療が必要なのか?(Why)どうすれば治るのか?(What)どんな選択肢があるのか?(How)(保険でもここまでは改善できる。ここからは自費治療になる。や 保険は限られた材料でやらなければいけないこと。 限られた時間で行わないといけないこと。 自費は治療の幅が全然違う事。根本的部分の改善が出来る事。など)先生の思いや考え。患者様の要望をかなえるにはどうしたらよいか。これらを時間をかけて患者様と向き合って伝えていく。最終的にどんな治療方法にするのか選ばれるのは患者様ですが、大事なのはしっかりと案内、説明すること。そしてそれが患者様に伝わることだと思います。そうすることで、患者様に納得して治療してもらうことにつながります。時間はかかりますが、今こそ時間をかけてもよいのではないでしょうか?そして、金属の高騰に左右されない医院づくりをしていくのがこれから大事だと思います。