前歯に適応になったキャドキャム冠とは?保険で出来る新しい歯の事を教えます。

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前歯を保険でやる場合、仕方がないと諦めてませんか?実は新しい選択肢が増えたんです。今回は新たに保険適応になった歯のことを書かせて頂きます。

この記事を書いている人
総合歯科商社14年目の営業所所長です。毎日歯科医院約30軒に訪問しています。今までで述べ1000軒以上の歯科医院の先生とお仕事をさせて頂きました。最近医院へ訪問していて、キャドキャム冠ってどう?と聞かれるのでこの記事を書いてみました。

前回の歯並びについての記事はこちら

キャドキャム冠って何?

前歯を治療する際、新たに保険に加わったキャドキャム冠(CAD/CAM冠)。まだどんなものか理解出来ていないのではないでしょうか?キャドキャム冠の特徴をご説明させて頂きます。

保険で出来る金属を使わない前歯

キャドキャム冠は保険で出来るだけでなく金属を使いません。それは金属を使わなくても最低限の強度を保てるからです。今までだったら保険で出来る素材では割れるリスクがあったのですが、キャドキャム冠で使われる素材はもともと臼歯で使われているくらい強度があるため前歯でも適応となりました。このように金属を使わないで出来るため歯茎が黒ずんだりする心配がありません。

自費に限りなく近い素材

キャドキャム冠で使用される素材は今まで保険では使われていない素材です。です何故ならば元々は自費で使われていたものだからです。今でも自費にはハイブリッドというセラミックとプラスチックを混ぜた素材がありますが、キャドキャム冠も同じハイブリッドという素材です。そのためキャドキャム冠は自費に限りなく近い素材のものと言えます。

前装冠に比べて綺麗

キャドキャム冠は前装冠に比べて綺麗です。それは金属を使わないからです。綺麗というのは人それぞれ価値観が異なるため比較して頂くのが確実だと思いますが、金属を使わないキャドキャム冠は透明感があるため前装冠よりも綺麗と言えます。

保険で出来るからといってすぐに決めてはいけない3つの理由

保険で良いものが出来ると分かるとお得感がありますよね。でもすぐに決めてはいけません。ちゃんとデメリットを理解して決めましょう。ここではキャドキャム冠のデメリットをご説明させて頂きます。

すぐに決めずしっかりと調べましょう

通常よりも多い量を削らないといけない

金属を使わない分、強度を保つために‘’厚み‘’が必要となります。その厚みを確保するために通常よりも多い量の歯を削らないといけません。多い量削るという事は虫歯の再発や神経の痛みの原因に繋がってしまいます。自分の歯を長持ちさせるためにもなるべく歯を削らずに済む方法があればそれに越したことはないです。

色調再現が難しい

キャドキャム冠は色調の再現が難しいです。それは既製のブロックを機械で削り出して製作するからです。詳しく説明すると、キャドキャム冠は元々色のついたブロックをコンピューターで歯の形にデザインしてそれを機械で削りだして製作します。このブロックは色が限定されており、数種類からしか選択できません。また、ブロックに色を付けることが保険では許されていないため色調の再現は難しいです。

キャドキャム冠 ノリタケブロック

土台が金属だと透けてしまう

CAD/CAM冠は、非常に透明感があり綺麗です。しかしその反面、土台が金属だと色を拾ってしまい少し暗い色合いに変化してしまいます。そのような場合には土台の変更をしなくてはなりません。

後悔しないためにやっておくべきこととは?

何事も選択する際に後悔はしたくないですよね?そのめにはやっておくべき事があります。大切な事ですのでしっかり頭に入れて行きましょう。

先生に出来るか聞いてみる

まずは先生にキャドキャム冠が出来るか聞いてみましょう。それはあなたの症例に合っているかどうか知っているのが先生だからです。一人一人口の中は異なります。顎が大きい人もいれば小さい人もいて、歯の並びも噛み合わせも違うんです。だからこそあなたの口の中を良く知る先生にちゃんと聞くことが大切です。

割れる事がある

キャドキャム冠も割れる時は割れてしまうことがあります。まだまだ強度的に絶対ということはないからです。いくら削る量の確保やかみ合わせなどの条件等を揃えても割れてしまう事があります。強度という点については金属を使った方がまだ安心と言える部分があると思います。

自費と比較する

しっかり自費と保険を比較することです。歯科では色々なかぶせ物がありますがそれぞれ特徴が異なります。良いとは思っても意外知らないデメリットもあります。当医院の患者様にはしっかりと納得した治療をしてもらいたので、保険・自費関係なく必ずかぶせ物の説明をさせて頂きます。それぞれの特徴、メリット・デメリットを理解したうえで一緒に治療に進んでいきましょう。

まとめ:

今回は保険で出来る前歯のキャドキャム冠についてお話させて頂きました。キャドキャム冠はほぼ自費と同じ素材で奇麗な商品ですが、色が透けたり、割れる恐れがあったり、歯を多く削らなければいけなかったりと注意しなくてはいけないことをご理解いただけたでしょうか。また、キャドキャム冠にする際はしっかりと先生に相談して自費と比べることが大切ですのですぐに決めるようなことはせずにして下さい。これによりあなたが納得した前歯の治療が出来ることを祈っています。